がんについて知っておきたい知識! 

◆目 次
1.なぜ、がんになるの? 
2.がんの基本的治療法
3.ガンでの死亡者数


ガンの治療法

ガンの治療には、大きくわけて局所療法と全身療法があるのはご存知とおもいますが、それぞれ分類すると下記の表のようになります。
局所療法 外科手術療法 もっとも一般的な治療法です。
外科手術によりガン細胞をとりさる治療法、血液をのぞくほとんどのガンに対して行われ、原則としてガンの主病巣と所属のリンパ節を取り除きます。しかし外科手術で腫瘍部位を切除することによって生体機能が損なわれたり、手術後の障害などで、生活の質が低下するなども起こりえるデメリットもあります。
放射線療法 X線やガンマ線などの放射線をあててガン組織を破壊する、治療法です。早期の皮膚がんや子宮頸がん、悪性リンパ腫などに効くと言われています。しかし、放射線をあてることでがん細胞だけでなく、正常な細胞まで損傷してしまうこともあり、さらに、放射線障害と呼ばれる副作用もあります。ですが一番の問題は、放射線の専門医の少なさにあります。
全身療法 化学療法
(抗がん剤療法)
抗がん剤には、がん細胞の増殖を抑えるアルキル化剤、がん細胞に栄養を与えないはたらきをする代謝拮抗剤、がん細胞の分裂を防ぐ抗腫瘍性アルカロイド剤、さらに抗腫瘍性の抗生物質があり、ガンの種類や部位を判断して、いろいろな抗がん剤を組み合わせて投与されています。しかし、抗がん剤は、ガン細胞に直接障害を与える作用があるため、当然、正常な細胞にも何らの障害を与える可能性があります。「髪の毛が抜ける」「吐き気がする」「白血球が減る」「下痢が続く」といった、副作用が強く出る場合があるのが特徴です。
ホルモン療法 がん細胞が増殖していくのに、ホルモンを必要とするものがあります。このようなホルモンを出す臓器を手術で取り除いたり、反対の作用をするホルモンを投与してがん細胞の増殖を抑えたりする治療法です。効果があるのは、乳がん、子宮体がん、前立腺がん、甲状腺がん、腎臓がんなど、特定のホルモンを分泌している器官です。ただし現段階でめざましい効果があるとはいえません。
免疫療法 人間のからだには、本来、体外から異物が入ってくると、その異物を攻撃し、排除しようとするはたらきがあります。ガンに対しても、その増殖を抑制しようとする免疫作用があります。この免疫を増強することによってガンを克服しようというのが、免疫療法です。現在は、まだ単独でガンを根治するのは困難で他の療法と併用して補助的に使われてます。
ガンの治癒水準についての調査

平成15年 厚生労働省 厚生科学審議会科学技術部会 第3次対がん10か年総合戦略の一環として、厚労省研究班の調査が行われました。
調査は国公立がんセンターや成人病センターなど三十施設で作る「全国がんセンター協議会」の加盟病院を対象に行われました。

治療水準の目安となる1年間の手術件数は、肺がんの場合で、いちばん多かったのは、国立がんセンター中央病院の765件です。逆にいちばん少なかった病院の手術件数は、45件と、国立がんセンター中央病院との差は、17倍もの開きがありました。

五年生存率では、1年間の患者数が、100例以上の施設の場合58.1%、100例未満の施設の場合で、54.1%と、100例以上の施設より4ポイント余りも低いことがわかりました。

さらに医療施設のタイプにより、がん治療を専門にした「がんセンター型」と、総合病院にがんセンターが併設された「併設型」を比較したところ、

がん全体の生存率では、最も高い「がんセンター型」が64.2%だったのに対し、綜合病院型は52.2%と12ポイントも差が確認されています。

これは、手術する医師の熟練度や施設により、治療成績(生存率)の差の要因となっている可能性がかんがえられるようです。


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