森林浴でリハビリ効果
森林浴によって健康増進やリハビリに効果があることは民間ではかなり以前から研究されていました。林野庁はその効果に目をつけ森林浴が期待できる山林を「森林保養地」に指定することにしました。
現在、候補地を探しているようです。
森林浴の効果を専門的に分析したうえで、森林セラピスト等の資格を設け「森林療法メニュー」を作成するなど本格的なリハビリ効果の期待を期待しています。
森林療法が普及すれば、病院の治療内容に森林浴処方せんを渡されることになるかもしれません
ストレス解消や癒やしなどリラックス効果があると言われる森林浴ですが、医学的には、その効果が解明されていないのが実情です。
今年3月、森林浴効果について専門家らによる「森林セラピー研究会」を発足させ、研究を進める体制を整備し、7月と9月に千葉、長野両県で実験を行いました。
20人ほどの大学生が森林と都市部を歩き比べ、その前後の血圧やストレスホルモンの量などを比較、樹木が発散する芳香性物質のリラックス効果などについて調べていますが、結果は分析中です。
しかし、森林を歩いた後は、ストレスホルモンの濃度が下がるなどの効果がみられたということです。
林野庁は、実験で森林浴効果の実証を重ねながら、健康増進やリハビリに適した森林を「森林保養地」に指定し、森林療法の拠点作りを進める方針です。
10月中旬以降、自治体などから候補地を募集し、タイプの違う森林で1年間、実験を行って効果を確認した後、保養地に指定する予定です。
過疎に悩む山村にとっては、地域振興につながることも期待され、すでに約30の自治体から、林野庁に問い合わせがきているようです。
もっとも、効果的な森林浴には、森林セラピストなどのアドバイザーが必要なため、林野庁は2005年春にも、森林セラピストの資格制度を設け、人材育成を図る計画です。
また、症状や年齢に応じて、森林浴の時間やコース、滞在中の過ごし方などを示した「森林療法メニュー」も作成し、リハビリや生活習慣病の予防を考えた健康増進メニューも検討しているようです。
サラリーマンの約6割がストレスを感じているという調査結果もあるだけに、期待される取り組みです。
◆森林浴とは 森林内を歩くことで、樹木から発散される「フィトンチッド」と呼ばれる芳香性物質につつまれ、小鳥のさえずりや風の音、川のせせらぎなど様々な体感要素によって身体がリラックスできるとして、ブームになっています。
海外では「森林療法」としての実践例も多く。特にドイツでは120年の歴史を持ち、約400の森林保養地があり年間約1000万人が療養しています。
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