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免疫とは

健康でいるためには、どのような秘訣があるのでしょうか?だれでも健康でいきいきとした生活を送りたいと思っています。

生きている以上、さまざまな病原菌やウイルス・細菌などと接する機会は減りません。常にまわりに存在するものとして注意することが必要です。私たちをとりまく空気や食べ物には無数の細菌やウイルスが含まれています。

例えば、エレベーターの中や電車、バスの中など1人の人が風邪をひいていていたら、閉鎖された空間は、たちまち風邪の菌で汚染されていくでしょう。また、病院などはウイルスや細菌の倉庫になっているかもしれません。

神経質になる必要はありませんが、外出から帰ったら手を洗いうがいをするぐらいは習慣として身に付けたいものです。

さて、これらの細菌やウイルスから身体を守っている仕組みを免疫力といいます。
免疫力とは、生物に備わった生体防衛のためのシステムのことですが、人間はいくつかの病的原因を持っていたとしても、生体防衛システムがしっかりしていれば、簡単に病気になることはありません。

免疫という防御が身体を守っているからです。

しかし、体力が低下すると、防衛システムである免疫が下がるということになります。
日本の生活習慣病と呼ばれる、癌、脳卒中、心筋梗塞といった病気も免疫力の低下が影響していると考えられています。

特に、身体の基礎がしっかりしていないと体力の衰えと一緒に免疫力の低下をまねき、年齢が増えていくとともに生活習慣病の癌や脳卒中、心筋梗塞などの発生率も高くなります。

免疫力を強化する食物を食べる、規則正しい生活を送るなど普段から心がけておくことで免疫力を維持することができ、病気にかかりにくくすることができるのです。

ストレスと免疫
現代社会を、「ストレス社会」と呼んでいる人がいます。
環境汚染、食品添加物、病原菌や細菌・ウイルス、さらにスピードを増していき複雑化していく情報社会。そのなかで仕事や人間関係さえもストレスとなって私たちの身体をむしばんでいます。

このストレスは免疫力を低下させ、病気の原因となっていくのです。
このストレスを防ぎ健康でいられる方法はあるのでしょうか?

病気になる原因物質や環境、職場でのストレスといった要因は簡単に変えることはできません。
しかし、立ち向かう方法は存在します。

簡単なことですので拍子抜けしるかもしれませんが、その方法は、「よく眠る」「よく笑う」「リラックスする」ということです。

しかし、この3つは簡単そうでなかなかうまくいきません。

「夜10時になったら就寝し朝6時ごろには目を覚まし朝の軽い運動をして朝食を食べています。休みの日は自然に囲まれた場所で自分の好きなことをしてのんびり過ごしています。」なんて若い人から聞いたこともありません。

働き盛りの年代ならなおさらです。最近、おなかの底から笑ったことがある人なんて少数でしょう。

このストレスを防ぐ3つの方法は、現代社会ではかなり難しいことなのかもしれません。ほとんどの方がストレスを防ぐ方法を知らないまま、逆に更なるストレスを生んでいるのかもしれません。

しかし、リラックス方法には、いろいろな方法があります。自分にあった方法をみつけることが免疫力アップの近道と言えるでしょう。

リラックスと免疫力
人の身体は、自律神経によって交感神経と副交感神経のバランスが保たれています。それによって、消化や睡眠、体温や血液の流れなどの恒常性を維持しています。

交感神経が働いている時は、身体も精神も緊張状態にあり、血糖値があがり、体温は上昇し、食欲は抑えられて身体全体に活気がみなぎってきます。

一方、副交感神経が働いているときは、身体も心ものんびりした状態にあり、体温は低くなり食欲や睡眠などの欲求が起こります。

一般的には、交感神経が働いているときは、ストレスがかかっている状態、副交感神経がはたらいているときは、リラックスしている状態といえます。

身体を正常な状態に保とうとする身体の恒常性のバランスは、副交感神経と交感神経の円滑な切り替えによって維持されています。

しかし、この切り替えは自分の意思でできるものではありません。

そのため生命の維持に大きく関わってくることになります。交感神経が働いたままだと寝ることも食べることもできません。また、副交感神経が働いたままだと身体の活動ができなくなってしまいます。

うつ状態というのは、交感神経がなんらかの原因で作動せず副交感神経に身体を乗っ取られた状態と言えるでしょう。うつ状態が長く続く場合は、免疫機能が麻痺しているのと同じことですから病気にかかりやすく、精神的にも肉体的にも危険な状態といえます。

ごく、最近の研究では、免疫の初期防衛で活躍するナチュラルキラー細胞(NK細胞)の数が交感神経が働いているときに増えるということがわかっています。

NK細胞は、身体の中の異物に対して初期段階では最前線ではたらき、人体のさまざまな場所で発生した癌細胞を、小さな芽のうちに攻撃し消去するはたらきを持っています。

ただしNK細胞が正常に働くためには、交感神経と副交感神経への切り替えが重要な要素になっており交互の切り替えがうまくはたらいていると免疫機能も十分なはたらきをするのです。

免疫の仕組み
人の身体は皮膚や粘膜でウイルスや最近から身体を守っています。

しかし、ひとたびウイルスや細菌が、皮膚や粘膜などのバリアを突破して粘膜細胞の内部へと侵入し始めると、異変に気づいた「ナチュラルキラー細胞(NK細胞)」という体内の初期防衛機能のひとつが駆けつけてきて、ウイルスが取りついた粘膜細胞を殺していきます。

殺された細胞の死骸は、白血球のひとつである「マクロファージ」と)呼ばれる細胞が食べて掃除をします。マクロファージは「大食い」を意味しており、日本では「貪食細胞」などと呼ばれます。

こうして、異物を取り込んだマクロファージは、同時にサイトカイン(インターフェロン)と呼ばれる物質を放出します。このサイトカインは血流によって全身へ広がり、これによって「敵が侵入してきたぞ」という伝令の役目をはたします。

強敵の存在がわかると、免疫は精鋭部隊を送り込むことになります。
免疫系としての主役を務める「T細胞」と「B細胞」です。T細胞には細かく分けて、「キラーT細胞」「ヘルパーT細胞」「調整性T細胞」の3つがあります。

それぞれの役割は違っており、キラーT細胞はその名のとおり外敵を攻撃する細胞です。外敵が体内に侵入して初期防衛のバリアを突破して、NK細胞やマクロファージだけでは手に負えなくなったとき、マクロファージがサイトカインを分泌し、免疫機能の主役であるT細胞に強敵の存在を伝えるのです。

そして、この伝令をヘルパーT細胞が受け取り、キラーT細胞に伝えることでキラーT細胞は活性化し、ウイルスに感染した細胞の細胞膜に穴をあけて殺傷し、細胞ごと病原菌を死滅させます。その死骸をマクロファージが食べて掃除するというわけです。

また、同時にヘルパーT細胞は抗原(外敵)についての情報をキャッチすると、抗体(攻撃するミサイル)をつくるようにB細胞に指令を出し、そしてただちにB細胞では抗体がつくられ始めます。

つまり一つひとつの抗原に合った抗体をつくるというのがB細胞の主たる働きで、免疫機構に重要な役割をはたしています。抗体はそれぞれの抗原を確実に死滅させるワクチンの働きを持っているのです。

また、3番目のT細胞である調整性T細胞は、ほかのT細胞やB細胞の暴走を抑える抑制機能を持ち、免疫細胞が健康な細胞や臓器などを破壊しないように活性化しすぎたキラーT細胞やB細胞の働きを沈静化させる機能を担っています。

免疫力の強化方法
あなたの身体の痛みをわかるのはあなただけです。あなただけが身体から発する危険信号を聞くことができるのです。毎日闘っている、あなたの身体!免疫力を上げることで自分の身体をいたわってあげてください。

◆その1 ぐっすり眠りましょう。 
寝不足がつづくと肌が荒れたり、胃腸の調子がおかしくなったりしたことがありませんか?
私たちが眠ると、体中の細胞から新生・修復・成長に関係する成長ホルモンが分泌され、疲労によって傷ついた体中の細胞を修復する新陳代謝が進められます。

つまり睡眠時間が減ることにより成長ホルモンの分泌が足りなくなり、身体自信の回復力も衰えてしまいます。そうなると免疫力が落ち込む原因となり、病気にかかりやすくなってしまうのです。

快眠の条件とは、
人は誰しも体内に時計を持っています。体内時計とは体のメカニズムのひとつで、ほぼ24時間の周期をもち毎日の規則正しい生活をすることによって守られています。

睡眠は、この体内時計が大きく関わっており、脳内ホルモンの分泌作用を左右します。
例えば、メラトニンという物質は、睡眠のサイクルを調整するホルモンで、就眠後、目に光の刺激がなくなって3〜4時間後から夜明け前までの間に分泌されます。

また、午前2時ごろから副腎皮質を刺激するACTHというホルモンが分泌されます。このホルモンが不足すると日中の体のだるさや情緒不安定を招きます。

午前4時ごろからコルチゾールというホルモンが分泌され午前6時ごろに向けて体温を上昇させることにより、気持ちよく目覚めることができるのです。

そして、朝、強い光の刺激を受けると、体内の時計がリセットされ、また正常な時間を刻み始めます。つまり、早めの睡眠と朝の太陽光線をしっかり体にあびることは最大の健康法のひとつなのです。

快眠方法について(ためしてガッテン)も見てみませんか。

◆その2 お手軽マッサージ
人間が本来持っている自然治癒力を活性化させることにより、心身のバランスを整え健康を取り戻すという東洋医学的な考え方により、健康的な体を作ることができます。

治療法としては、あん摩、マッサージ、指圧、はり、きゅう、漢方薬などがあります。
ご紹介するのは、簡単なマッサージです。


【爪もみ療法】
1日に5分間、数回づつ指の爪を少し痛い程度にマッサージするだけで、体のさまざまな器官を健康にする働きがあります。

爪の両わきには自律神経を働かせるつぼがあるのです。自律神経は免疫機能と深いかかわりがあります。そのため自律神経に刺激を送ることは、自律神経の働きを活発にすることになり免疫にも強く作用することになるのです。

但し、マッサージには、ルールがありますので、闇雲に指先をもまないように気をつけてください。

●ルール1 もむのは、手指の爪のはえぎわです。あまり位置にこだわる必要はありません。
●ルール2 親指、人差し指、中指、小指の4本が基本です。薬指はもみません。
●ルール3 もみ方は、以上の指の爪の生え際を、反対の手の人差し指と親指ではさんで、
 痛いぐらいに強く押し揉みます。1本10秒ぐらいです。

以上の3つがルールです。基本の4本は、副交感神経と関係が深く、4本の爪の生え際辺りをもむことにより、副交感神経が刺激され、免疫機能が活発化します。
薬指は、交感神経との関係が深く眠気をさますなど身体の活性と関係があります。

症状と指の関係を説明します。
≪肩こり≫ 小指を念入りに
≪冷え性≫ 手と足の薬指以外の指を念入りに
≪頭痛≫ 小指を念入りに
≪不眠症≫ 小指を念入りに
≪便秘≫ 薬指以外のすべての指を念入りに

人により効果が違うと思いますが、1回目で劇的に回復するような魔法ではありません。毎日5分程度繰り返し刺激を続けてください。


【足裏マッサージ】
昔から、足は第二の心臓と言われています。
それは、足を動かすことにより、足の筋肉がポンプの役目をはたし、血液の流れを良くするからです。

また、足の裏には、たくさんのつぼがありますので、マッサージをすることにより体中の器官の動きを活発にし体調を整えるはたらきが知られています。

なお、足のつぼをマッサージをするときは、足の裏だけではなく、ひざの上あたりまでゆっくりとマッサージを行ってください。これは、足の裏だけを重点的に行いますと、疲労物質がまた足先に戻ってくることにより効果がなくなるからです。

もうひとつ大切なことは、温かいお茶や室温程度のスポーツ飲料をマッサージの前に飲まれると大変効果的です。

足の裏のつぼは、こちらをご覧ください。


【森林浴】
森の中を、最近歩きましたか?
たまには、自然散策を楽しんでみましょう。森の空気にはマイナスイオンが多く含まれています。

とくに、滝や川の近くなど水が激しく流れるところではマイナスイオンがもっとも多く空気に含まれおり、副交感神経に作用して体中がリラックス効果に包まれます。

副交感神経が刺激されリラックスするということは、免疫力を高める効果があります。
道路際の排気ガスで汚れていない、新鮮な空気を吸うだけで身体がリフレッシュする感じがします。

澄んだ空気で、肺の中にいっぱいにして、川のせせらぎや鳥のさえずりを聞く。とても贅沢な時間ですね。

ドイツでは森林浴は120年を歴史を誇り、健康増進のひとつとして認められております。年間に1000万人が森林浴に訪れているのです。

人間の五感を刺激し、健康を増進する森林浴を楽しんでみませんか。


【半身浴】
ゆったりとお風呂にはいっていますか?
家のお風呂では、足をいっぱいに伸ばしてゆっくりつかれないかもしれませんが、あぐらをかくなどリラックスできる姿勢を工夫してみましょう。

半身浴は、血液の循環をよくするのにとても適しています。
実際に医療機関でも、血液循環の改善療法として取り入れているところもあります。

半身浴の場合、つかるのはおへその上、こぶし一個分ほどくらいまでです。
38度から40度程度のお湯に20分ほどゆっくりつかります。冬場などは肩が冷えますのでタオルなどをかけ保温をするとよいでしょう。

また、昔から伝わる柚子やよもぎを入れたり、ハーブなどのアロマオイルを加えるなど楽しみながらリラックス効果を高めることができます。

半身浴は毎日つづけることが大切です。ただし、水分の補給には気をつけてください。


【ウオーキング】
ウオーキングは免疫力の強化に大変適した運動といえます。激しく筋肉を動かす必要がないので、身体に有害な活性酸素を生じさせる心配もありません。

基礎体力の向上にも適しています。

1日に25分程度が目安となります。
1分間に100〜120メートル 脈拍は120から130程度がベストです。

どこまでも歩いていける程度の軽快な感覚が大切です。きつかったり息が上がるようでしたら少しスピードを緩めてください。

また、歩きやすい服装と、ウオーキングに適した靴で行うことも大切です。特に靴は歩くのに適したものがお奨めです。 

運動靴の中には、ウォーキングをするには柔らかすぎるものも多く、長時間歩いた場合には逆に疲れてしまうというものもあり、健康を目的に「歩く」ことを楽しみたい時には、ジョギング用ではなく、ウォーキングシューズをお履きになることをお奨めします。

また、靴下も重要なポイントで、各指が自由に動き、地面をしっかりつかむような感覚をもてる5本指ソックスが最適です。

お気に入りのコースを見つけ、季節の変化を楽しみながら免疫力、基礎体力も高めることができる、最高の健康法のひとつです。


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